スタイルこぼれ話

ふんぞり返ったteppanの態度からは、彼が悪魔崇拝嗜好であり、ケダモノ好きで、まるでサタンのようだという評判通りにも見えるが、実際はもっと友好的な雰囲気だ。ファンタ缶を片手に、かつてない程、商業主義に徹し、ファンキーに仕上げられた、新曲「スタイル」について彼の口は開いた。

「まずは完成おめでとうございます、今回の曲は今までと違った雰囲気ですが何か意識したことはあるのでしょうか？」

「サンクス、実は『冬が来て』という曲を作ってた最中だった（カマデンとの共作中）ざざさんというグラフィックアーティストからメールが来たんだ、それは真冬の雪みたいにクールだった」

「冬じゃ普通ですよ」

「サンクス、それでそっちはカマデンに丸投げして、急遽この歌のアイデアをざざさん送ったんだ、その時点で全ての完成形はイメージできていたし、そうだな、チェックメイトまでの全手が一瞬で見えた感じかな」

「苦労、工夫したところなどありますか？」

「うーん、今回はキャラクターが入れ替わるんだけど、ムービーがあるとわかっていたからその説明を歌詞でやらない、他の方法、例えばアリは小さくかわいく聞こえるようにオクターブピッチを上げる、とか工夫したかな？

あとteppanの曲はいつもなにかしらメッセージ性があったりしたんだけど、今回は説教くさくしたくなかった、ただワイワイ行列してたかったんだ。
そういった意味では誰もが王冠を身に着けているけど、そこで主張したものが王になれる」って俺も感じている。だからその代弁者として彼等の「声」になるのが自分の仕事だ。」

「なんだかかっこいいですね」

「・・・ってマンソンが言ってた」

「ざくろも王冠かぶってますね、王冠好きなんですか？」

「ざくろには王冠があるんだぜ？今度見てみな、ちなみにダリへのリスペクトでもある、オレはダリが好きなんだ、彼の作品にはアリもよくたかってるしな」

「CD第四弾の作品はバンドアレンジが多かったようでしたが今後は打ち込みっぽいこの方向性を続けるのでしょうか？」

「方向性・・・ね。
昔、メジャーの連中にオレの歌を聞かせた時、『いったい君はナニをやりたいのかね？もう少し方向性をまとめるべきだ』ってよく、ほんとによく言われたよ、ライブハウスでも言われた。

でもやりたいようにやるんだ、
オレなりの方法で妥協しないでやるんだ、
マヌケに見えるときもあるだろうけどな、
それがオレのスタイルさ」

「なるほど、今日はありがとうございました」

「ファンタ、ファンタいる？持ってこようか？冷蔵庫に・・・」

「あ、すいませんおかまいなく」

「おかまいなくっていうのはいらないってこと？こんなに美味しいのに！」

「いやじゃあいただきます」

「美味しくないものだったらわかるよ、わかるわかる。
だけどさ！美味しいのにいらないって言われたら美味しいのに！って思うだろう？ほれ飲んでみし」

「ゴクゴク」

「どう？」

「こ、これは！・・・お、美味しい！」

「だろ？乾杯しようぜ、」

「かんぱーい！」

チーン！